人間を何十年もやっていると、そりゃ、色々ありますよね。
幸せな時もあるし、想い通りにいかなくてイライラしたり、隣の芝生は青いもので、他人と比べて自分は足らないと思ったり。
こんな親元で生まれなければとか、こんな家は嫌だ、なんでこんな奴と兄弟として生きなきゃならないんだなどなど。
貧乏も嫌だ、病気も嫌だ、ブスも嫌だ、デブも嫌だ、不器用も嫌だ、働くのも嫌だ、満員電車も嫌、人込みも嫌、嫌、嫌、、、だらけで。
人間って、本当に勝手ですね。
私が神様でも、そんなワガママで自分勝手で、駄々っ子みたいな人間には、天災でも起こして懲らしめてやりたいのかもしれません。
じゃあ、なぜ不満が生まれるのでしょうか。
それは、なんで??と思う事から始まるんです。
なんで?私だけ?
なんで私だけこんな目にあうの?
なんで私はこうなの?
なんでうちは貧乏なの?
なんで面接で落ちるの?
なんだよ、なんでだよ。
なんで?ね、なんで??
これですね。
私達はどこから来たのでしょう。
誰が送り出したのでしょう。
親達が良い事をして?精子と卵子云々で生まれたと思っても良いし、各宗教の見解で、神様がお造りになったと思っても良いし、なんでも良いけど、ロボットみたいに工場で大量生産されたわけではないし、クロンで作られた訳でもないなら、何かの力の影響の元、身体という入れ物に魂が入れられて世に出る訳ですが、産み落とされるのもあの世に戻るのも、自分の意思は関係なく、予定にも入っておらず、何か大きな力によって決められる訳で、それを人々は神と呼んだり、自然界のパワー、あるいは科学の生物の活動によって?などと定義付けられますね。
まあ、何はともあれ、産み落とされたその瞬間から私達は死神が迎えに来るまで、ただただ息をして生きていけなくてはならないのですが、犬や猫のように10数年の命なら、スリル満点の毎日を生きることもできましょうが、何せ寿命は科学の進化のおかげでどんどん伸び、80年も生きなければならず、毎日の24時間を80年過ごすってすごくないですか?
しかし、80年、身体と心が若いまま均等に老化に進んでくれれば良いものを、生まれて10年間は、平均の家庭なら、何こともなく、親に守られおもちゃで遊べば良い。
その10年後の20才までは、反抗期と思春期と言う、ホルモンがいっぺんに出まくり、何が何だかよくわからないけど、悶々としたり、感情の起伏が激しくなったりと蛹が蝶になるための脱皮に伴う痛みとも言いましょうか、感情の起伏が激しくなったり、早く大人になりたくて背伸びをしてみたりと、まあ〜、大変な10年を過ごす訳ですね。
学校と言う、集団生活も始まるし、一番大変な時期ではないでしょうか。
20才から30才までの10年間はどうでしょうか。
やっと脱皮にも成功をし、美しい美貌を手に入れてハラハラと飛び舞う蝶のような時期ではないでしょうか。
人間の人生の中で、一番美しくてみずみずしくて、体力も絶好調で、将来の心配など、微塵もないくらい眩しい時代じゃないでしょうか。
80年の長い人間の人生で、一番美しくて自信に満ちて華やかな時期は、たったの10年間ですよ。
短すぎませんか?
でも、当の本人である20代諸君は、20代が永遠と続くような錯覚をどこかしてますよね。
30代から40代はどうでしょう。
門限を破いて夜な夜なクラブで遊んで帰り道に、やっと怒った親の顔が浮かんで、急に足取りが重くなるように、30になった途端、漠然とした将来への不安というのが頭を上げ始めます。
結婚をして家族を持つようになった人と、独身のままこの年を迎える人とは異なる現象はおきますね。
結婚をして家族を持った人は、社会が望む形が作れたという安堵感と共に、守るべき家族ができることで、仕事に不満を言えなくなるストレスを抱えて、自分のため夢や生活は畳んですみこにおいて、家族の幸せのためにひたすら走るマラソンが始まるわけで(ご苦労様です)、独身のままこの年を迎える人も、そりゃ、それなりの白目でみられたり、余計なお世話を言われたりもしながら寝床につくと、強がって1人が気ままで良いなんて言った割に、この先もずっと1人で生きる羽目になったらどうしようとマジで心配をしあ始める。
40代から50代は、ほどほど諦めがつく年頃ですな。
若くもない、だからって老いぼれるにも早すぎのこの頃は、やけに脂切って、加齢臭を撒き散らし、女性も男性も性欲ピークに達して、不倫などの下半身事情で騒がしくなる頃。
女性も熟女と言う名の通り、感性も熟してくるわけだから、感じ方が半端なくなるんですね。
風が吹くだけで溜息が漏れるなあんて事も。
男性もセクハラや、盗撮で捕まえたり、悶々とした下半身事情で、人生をフイにする事もありますね。
50代から60代はいかがでしょうか。
やっと自分は若くないと気づき始める頃ではないでしょうか。
悶々とする40代と、枯れ始めてる60代の狭間で、私はまだまだよと思っているあなたは、40代にライバル意識を燃やし、若作りに余念がないはずだし、いろんなことが面倒になってきたら、もう還暦も近いからと、早々と諦めモード全開で、男にも女にも見えなくなるようなユニセックス的な格好を始めます。
電車に乗る事が多い私は、周りの人を眺めながら、一人一人の人生を勝手に描いてみたり、推測してみたり、観察するのが無償の楽しみになってます。
自分も見られるとは梅雨知らずにね。
人間って、本当に愚かでバカですね。
60代から70代はどうでしょう。
お世辞にも若いとは言わせませんよ。
あちらこちらに故障や不具合が起き始めますね。
機械も60年も使い続けたら壊れますよ。
まして人間なんて、あちらこちらに不具合が起きて当たり前じゃないですか。
車だって、2年に一回検査をしてメンテナンスをしないといけないのに。
なのに、あっちが痛いよ、こっちが痛いよって騒ぐ。
当たり前ですよ。
痛くて当たり前なんだから、受け入れるしかありませんね。
年をとるって、そう言う事ですから。
でも、確かに怪我したところがなかなか治りにくくなった時は、年を実感しましたね。
70代から80代は、いよいよラストスパートですね。
70代はまだ10年もの余裕があるので、周りを見ていても、20代、40代に続いて70代が幸せに見えます。
80代に自分の将来を見ているし、60代を懐かしみながらも、それなりの人生の楽しみ方を見つけようとします。
80代になると、幸い家族が手厚くケアをしている人は、我がもの顔で幸せそうです。
されるがままに甘えながら、いろんな人から世話になる身になるから謙虚さも身について、可愛いお年寄りになっていきます。
生きる知恵ですな。
不幸にも、ケアをしてくれる家族がいない人達は、それなりの不憫さを我慢しながら生きていくしかないでしょうけど、その答えは、30代からの人生遍歴の結果が大いに影響するでしょうね。
それ以上長生きができれば、それこそ、おまけ、おまけ。
で、こうしてみると、人間の歴史って、短くも長いんだなと思うけど、不意の事故や病気など途中下車する人もいるでしょうけど、殆どの皆んながもれなくこの長〜い時間を生きなくてはならないのであれば、「どう生きるか」が大事であって、子供が親の留守の間何をして時間を過ごそうかとゲームやオモチャ、はたまた、何か悪いことでもしようかとワクワクするのと一緒で、長い人生をどう過ごすかをワクワクしながら生きられたら良いよね。
犬や猫のような動物が過ごす24時間と、人間が過ごす24時間は同じですよ。
あ〜この飼い主は嫌だな〜って、おたくの犬、言いますか?